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【スタッフ勉強会】SST(ソーシャルスキルズトレーニング)とは?
2022.05.23.
●「SST」とは??
先日「SST」についてスタッフで勉強会を行いました。
「SST」とは「ソーシャルスキルズトレーニング」の意味で、対人場面において円滑な人間関係を築くために必要なスキルをロールプレイしながら習得する援助方法です。
対人場面で必要なスキルは学習可能とすることを前提に、場面・相手に応じた適切で効果的な態度や言動、行動、物事の捉え方を練習していこうという取り組みです。
●全てのスタッフが参加です!
まずはウォーミングアップとして「最近食べたちょっと美味しかった食べ物」のリレートークを行った後で実際に練習する課題を決めました。
どのような場面でロールプレイを行うか、またどのような人物像を想定するのか、スタッフが真剣に考えた内容を伝えます。
【設定を纏めた実際のメモです】
【以下設定内容です】
・登場人物 Aさん(部下) ・想定する場面 本日通院の予約を入れているので、間に合うように会社を出たい。 ・登場人物 Bさん(上司) ・想定する場面 Aさんに残業の依頼を行う。 ・想定する人物像 礼儀正しくキャリアウーマン。普段は話を聞いてもらえるが、忙しいときは強引に話す傾向がある。ハッキリと物事を伝える など
Bさんは女性の設定ですが、Bさんの役に任命されたのは男性スタッフでした笑
他にも設定された人物像についてスタッフなりに想像し落とし込んでいきます。
●ロールプレイの開始
上司役のBさんが、他スタッフも職場の同僚と設定した上で、適宜声をかけて忙しい空気感を作ります。
数名のスタッフが残業を引き受けたという状況を作った上でいよいよAさんに声がかかります。
実際の会話をご覧いただきよりリアリティを感じていただければと思います。
Bさん(上司)「ちょっとお願いがあるんだけど、今日ちょっと私が手が付けられないんだけど、今日忙しい?大丈夫?」 Aさん(部下)「今日は、、」 Bさん(上司)「お願い!ちょっとだけお願い!そんな時間かからないと思うから」 Aさん(部下)「あ、えっと、、」 Bさん(上司)「お願い!これだけお願い!ごめんなさいね!」
AさんはBさんの強引な依頼を断ることが出来ずロールプレイは終了しました。
ここでまずは(Aさん)の良かったところのフィードバックを行います。
「すんなりとは受けない態度」
「すぐに断ることで関係性をギクシャクさせないような気の使い方」
などなど、断ることは出来なかったけど頑張ったAさんの姿勢を肯定する意見がたくさん挙がりました。
●さらに良くなるための提案を皆で意見出し 次に、どうすれば上手に断ることが出来そうか意見出しを行います。
「朝礼やスケジュールで通院の予定があることを事前に伝えてみては?」 「依頼される業務の期限を確認した上で、明日でも間に合うか確認して話を進めてみる」 「病院に時間の変更が可能か確認をさせてもらう」 「事前に同僚にフォローを依頼しておく」
沢山の意見が出たところで、Aさん(部下)が自分で取り入れられそうなものを確認し、設定を確認した上で再度実践を行います。
●トライアル2開始
以下も実際の会話です。変化について是非ご覧ください。
Bさん(上司)「今日、通院やった?予約の変更とかできる?」
Aさん(部下)「確認してみないと分かりません」
Bさん(上司)「変更は難しい??30分の残業は大丈夫?」
Aさん(部下)「30分であれば大丈夫です。期限はいつまででしょうか?」
Bさん(上司)「明日の昼まで。ちょっとでも進めておいてもらうことは可能?」
Aさん(部下)「30分でしたら大丈夫です」
Bさん(上司)「30分で大丈夫!」
●なんと!見事に予定通りの時間に帰れました!
さらに個人的な内容も含めて良かったと思う事などに「穏やかに話すところ」などございました。(ブログでは伝わりませんが、、)
Aさんから2度のロールプレイでの変化など感想として「(1回目より)スムーズにお断りができた」とのことだったので目標は達成です!
●最後に
次回のSSTまでに日常でどのようなことを練習するかについて会話を行います。
そして最後に、全員から感想をひと言ずつ発表しました。
「支援機関から実際にソーシャルスキルトレーニングの要望があった。社会に出る前に経験する必要があると思う」
「働くことへの不安を少しだけ取ってくれることで自信に繋がると感じた」
「事前準備の大事さを感じた」
「疑似体験として起こりうるものを考え設定し行ってみることの大切さを感じた」
などなど多くの意見が出ました。
このように誰でも起こりうる状況に対してしっかりと準備を行い、円滑なコミュニケーションを目指すことも大切ではないでしょうか。