2023.09.05
ADHDのセルフチェック
■ADHDとは?
ADHD(注意欠如・多動症)は、不注意、多動性、衝動性の3症状を主な特徴とする生まれつきの精神疾患で、脳の機能に問題があると考えられています。
これら3つの特徴は同時に全て現れるというわけではなく、不注意が目立つ場合、多動性・衝動性が目立つ場合、あるいは3つすべてを併せ持つ場合などさまざまです。
本人が自分の状況に対処する方法を身につけることで、その特徴が目立たなくなることもありますが、それでも特徴そのものがすべてなくなるということではありません。
また、学校や職場などミスがあると注意されやすい環境になるなど、ADHDの特性が表面化することがあります。あるいは就活の際に面接にうまく対応ができず、ADHDの可能性を感じ始めるケースも多いようです。
もし「ADHDかも?」と思ったときは、まずはADHDの特性を理解し、自分が感じる生きづらさやストレスを少しでも軽減させる工夫をすることや、ADHDの診断ができる医療機関で受診をすることが大切です。
医療機関ではアメリカ精神医学会の『DSM-5』を診断基準にして問診やカウンセリング、検査などが行われます。あくまで参考までにDSM-5の基準を記しておきますので、まずはご自身でチェックしてみてください。
■不注意の症状チェック
不注意の症状チェック項目は以下の9つになります。
1.細部に注意を払わず、ケアレスミスをする
2.何らかの活動中に注意を持続することが困難である
3.話しかけられても上の空で聴いていないように見える
4.課題を最後までやり遂げない
5.活動の計画を立てることが難しい
6.持続的な努力を要する課題に取り組むことを避ける、または嫌々行う
7.しばしば活動に必要な物を失くす
8.気が散りやすい
9.日常生活で物忘れが多い
このうち5~6項目があてはまり、直近6ヶ月以内でしばしば起きがちで、また2つ以上の環境の中で症状が出て活動に支障が出ているなどの場合は、ADHDかもしれません。
■多動性・衝動性の症状チェック
多動性・衝動性の症状チェック項目は以下の9つになります。
1.着席中によく手足を動かしたり,身をよじったりする
2.離席することが多い
3.状況に関係なく走り回ったり高い所に登ったりすることがある
4.静かに余暇を過ごすことが困難である
5.じっとしていることができず,何かに突き動かされるように動き回る
6.過度なおしゃべりが多い
7.質問が終わる前に答えを口走ることが多い
8.順番を待つのが苦手
9.他者の行為をさえぎったり,邪魔をしたりする
こちらも、このうち5~6項目があてはまり、直近6ヶ月以内でしばしば起きがちで、また2つ以上の環境の中で症状が出て活動に支障が出ているなどの場合です。
なお、②の不注意と③の多動性・衝動性の両方においてそれぞれ5~6項目があてはまる場合も同様にADHDが懸念されます。
ただし、他の神経疾患だけでなく、不安定な環境などでもADHDにそっくりの症状が現れるケースがあるため、必ず専門機関での検査が必要です。
■ADHDは急増している?
厚労省ほかの公式機関からは正式な見解は出ていませんが、多くの医師や医療機関などの発信によると、ADHDの方は確実に増えているようです。
また、信州大学医学部子どものこころの発達医学教室・精神医学教室が、全国の診療データベースを用いた大規模調査をして2022年に発表した報告によると、2010年度から2019 年度で新たにADHDと診断された人数が増加し、中でも20 歳以上ではなんと 21.1 倍にも急増したそうです。
この増加の背景には、ADHDという障害の認知率が高まったこと、ADHD治療薬の大人への適用がこの調査期間内に認められたことなどがありますが、スマートフォンの普及や学校や職場などの環境変化が断続的に続いていることも要因と考えられています。
■まとめ
ADHDは不注意や多動性・衝動性を特徴とする発達障がいの一種で、近年、特に大人の方においてかなり増えてきているようです。
学校や職場で周囲の方々との関係性に悩んでいたり、就活で行き詰っていたりしているなどの場合、医療機関が診断において活用するチェック項目の一部が公表されていてその可能性をセルフチェックすることはできますが、必ず専門機関で問診やカウンセリング、検査を受けることが大切です。
ただ、病院で診断を受けることまだ抵抗がある方も多いことと思いますので、障がいのある方を支援する機関は数多くあり、まずは相談することから始めてみられてはいかがでしょうか?
京都の就労移行支援事業所スキルアップスマイルは、京都の中心地である四条駅と烏丸駅に直結したビル内に事業所を構えてとても便利ですので、一度見学がてらご相談にお越しいただければと思っています。
スキルアップスマイルがどんなところか気になる! 少し相談してみたい!という方は、まずは下記のページをクリックし資料をダウンロードしてみてください。
前の記事:
« 就労移行支援事業所の利用期間は?