2023.09.21
オープン就労のメリットとは?
障害のある方が働く場合、勤務先に自分には障害があることを伝えて勤務先から配慮を受けながら働く「オープン就労」と、障害者であることを勤務先に伝えない「クローズ就労」の2つの働き方があることをご存じでしょうか?
■ オープン就労の3つのメリット
まずここではオープン就労の3つのメリットをお伝えします。
1)業務内容や労働環境、勤務形態などに配慮を受けられる
例えば聴覚過敏で騒がしい職場が苦手という人であれば比較的静かなデスクに配置されたり、自閉症スペクトラム(ASD)や注意欠如・多動性障害(ADHD)などの発達障害の人であれば、過集中によって疲れすぎないように適度に休憩の時間を設けてもらえるなどなどの配慮が受けられます。
また、うつ病や双極性障害などの精神疾患のある人は自律神経が乱れがちで気圧の変化に弱く、日によっては出勤するのもつらい場合があります。
こういう障害に対する理解が職場にあれば、午後出社にしたり早退したりと融通を利かせてもらうことができます。
2)障害を開示できることで安心できる
クローズ就労の場合、「障害があることを隠さなければならない」という意識が高まり、人によっては強い不安が生じます。
また体調を崩して業務がつらくなっても職場の方には伝えることができず、より体調の悪化を招いてしまうこともあります。
オープン就労であれば、1人ひとりの状態や特性を理解してもらった上で働けるため安心感があり、体調変化などがあっても職場の方々に伝えやすくなります。
3)支援機関と勤務先から連携したサポートを受けられる
例えば障害者に対する福祉サービスに「就労移行支援」というものがあり、就労移行支援事業所では就職までのサポートを行うとともに、就職後の定期面談などで職場に定着するための支援も行っています。
オープン就労の場合はこうした支援者と勤務先が連携したサポートが受けられ、職場での定着率がかなり高くなるようです。
■オープン就労で働く条件は?
オープン就労では主に「障害者雇用枠」の求人に応募することになります。
求人には一般枠とは別に障害者雇用枠というものがます。
これは国が企業などに対して障害のある方も社会で活躍して自立して生活できるようにそれぞれの従業員数に対して一定割合以上の障害者を雇用することを求めおり、障害者雇用枠はこの基準に対して企業が設けている障害者向けの求人枠です。
ただし障害者雇用枠で就職するためには障害者手帳が必要です。
障害者手帳には身体障害者の身体障害者手帳、知的障害者の療育手帳、うつ病などの気分障害、発達障害など何らかの精神疾患を抱える人の精神障害者保健福祉手帳があります。
精神障害者保健福祉手帳を取得するにはお住まいの市区町村の窓口に申請をする必要がありますが、医療機関でうつ病などと診断を受けてから6ヶ月以上経過していなければ申請できないことにご注意してください。
■オープン就労に向いている人は?
オープン就労が良いのかクローズ就労が良いのかは一概には言えませんが、1つの基準として「自分はどちらが長く働き続けられるだろう?」といった点で考えてみればどうでしょう。
特に自分の障害特性や疾患状況などに不安が残る場合はオープン就労を選択する方がよいと思われます。
なぜならオープン就労であれば前述したように業務内容や労働環境、就業形態などを調整してもらえるほか、定着支援者から勤務先で長く働き続けるための支援してもらうことができますからです。
クローズ就労であればオープン就労よりも希望する仕事に就けたり高い報酬をもらえたりする可能性が高まります。
ただし、一度も一般就労をしたことがない発達障害の方が初めて働き始めたり、精神障害のある方が仕事に復帰した場合、その障害特性が職場で顕著に表れたり、症状が再発してふたたび退職を余儀なくされる人も少なくないのが実情です。
■ まとめ
障害をオープンにして働くことは、業務内容や労働環境、勤務形態に配慮を受けられたり、職場で自分には障害があることを隠さずに済む安心感があったり、支援機関と勤務先から連携したサポートを受けられたりするメリットがあります。
クローズ就労と比べて就ける職種が少なかったり報酬が少なかったりする可能性はありますが、まずは障害者雇用枠にてオープン就労で働いてみて長く勤務する中でスキルを高め、数年後の正規雇用を目指してみてはいかがでしょうか?
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