特集「京都で障害者が安心して働けるために -サポート機関の場合」 vol.8/京都ジョブパーク はあとふるコーナー
この特集では京都のそれぞれのサポート施設や事業所が、どのような思いでどのような支援をしているのかをお届けしていきます。
地下鉄九条駅から徒歩7分、京都ジョブパーク内にある障害のある方が一般就労を目指すための京都府の専門窓口である「はあとふるコーナー」さんを紹介します。
京都ジョブパークは「人と社会の架け橋となり、働く喜びを実感できる希望の京都をつくります」という理念のもとに運営されており、はあとふるコーナー(以下コーナー)さんはその中でも障害者手帳を所持する方や取得予定の方で、障害をオープンにして働きたい方を対象としています。
今回はコーナーの窪田憲泰さんと、職場も隣接していて業務でも深く連携している「京都障害者雇用企業サポートセンター(以下サポセン)」さんの大前浩一さんにお話を伺いました。

目次
障害をオープンにして一般就労を目指す方の専門窓口
Q.コーナーさんの利用者はどのような方ですか?
障害者手帳を所持する方や取得予定の方で、障害をオープンにして働きたい方を対象としています。
利用者の年齢層は20代30代がそれぞれ約3割と最も多く、続いて40代50代それぞれが2割前後を占めています。
Q.幅広い世代が利用されていますね!
この1年だけでも40~50代の利用者は100人近くにのぼり、若年層だけでなく幅広い世代が利用されているのが特徴です。
またすでに就労経験があり、働く中で障害があると診断された方も少なくありません。
年間約350名が新たに登録し、200名ほどが一般就労へ
Q.どのような体制で支援されているのですか?
コーナーでは常勤スタッフ7名体制で支援を行っています。
年間で約350名が新たに登録され、キャリアカウンセリングや就労準備セミナー(「JPはあとふるカレッジ」)、職場体験・実習などを通して、1年前後で一般就労を目指されます。
この1年では200名ほどが一般就労を実現されました。
Q.どのような仕事でどのような会社に就職されますか?
職種は事務系がやや多く、軽作業や専門職も少なくありません。
スキルを活かして専門的な職種に就く方もおり、企業規模としては従業員100~200人程度の中堅企業が中心です。
一部には大手企業に就職される方もいますが「自分に合った職場環境で長く働けること」を大切にして職場を提案しています。
「一人ひとりのペースに合わせた支援を続けることで、自分に合う仕事を見つける方が増えています」(窪田さん)

実習コーディネーターが企業と丁寧に調整
Q.企業での実習を重視されているそうですね?
コーナーでは専任の実習コーディネーター1名が企業と連携し、利用者1人ひとりの希望や特性に合った実習先を丁寧に調整しています。
年間では延べ100件ほどの企業実習をしており、実習を通して働くイメージを深める方が多くいます。
Q.実習はどんな効果がありますか?
「いきなり働くのは不安」という方も、実際の職場を体験することで自分に合った仕事の形を見つけることができます。
「実習は『自分を試すステップ』であり、体験を通じて自信をつけていく方が多いです」(窪田さん)
サポセンとの強い連携で企業への支援も一体化
Q.サポセンさんとはどのように連携されていますか?
コーナーと職場が隣接するサポセンとは、日々情報を共有しながら実習生のコーディネートや就職後のフォローを行っています。
サポセンでは年間で約1,000社の企業を訪問し、障害のある方の雇用の啓発や受け入れに向けた助言を行っています。
その中から1年で新たに約80社が実習に取り組む企業として登録し、実際の職場体験にもつながっています。
Q.サポセンさんはどのようなことを重視されていますか?
サポセンでは従業員100~200人規模の企業を中心に「どうすれば障害者を採用できるか」「受け入れ体制をどう整えるか」などの相談を受け、専属スタッフ10名と約20名の実践アドバイザーが協働して企業をサポートしています。
「障害のある方にも生産性を求め、少し丁寧なマネジメントを、そして率直なフィードバックを」― この3つを重視してお願いしています。特別扱いではなく「共に働く喜び」を感じてもらうことが何より重要です」(大前さん)

さまざまな機関とつながる京都ジョブパークの強み
Q.京都ジョブパークは幅広い支援をされていますね
京都ジョブパークにはハローワーク、ナカポツセンター(障害者就業・生活支援センター)、福祉人材コーナーなど、働くことを支援する複数の専門機関が集まっています。
「どこに相談したらいいかわからない」という方も、ここに来れば就職・福祉・生活支援などの相談をワンストップで受けられるのが大きな特徴です。
「同じ建物の中に連携機関がそろっているので、必要な支援につながりやすい環境です」(窪田さん)
就労移行支援事業所との協力も
Q. 就労移行支援事業所から紹介も多いとか?
はい。コーナーが多くの実習先を持ち、企業との調整がスムーズだからです。
今後もサポセンや就労移行支援事業所などと協力し、「定着率の高い就職」「安心して働き続けられる職場づくり」を目指して支援を続けていく予定です。
「はあとふるコーナーは『はじめの一歩』を踏み出す場所。一人で悩まずまずは相談に来てもらえたらと思います」(窪田さん)
Q.最後に障害のある方へメッセージをお願いします
はあとふるコーナーに、働くことに不安を感じている多くの方が訪れています。
「相談してみたら自分の道が見えてきた」―そんな声が少しずつ広がっています。
もし今「働くこと」に悩んでおられるなら、ぜひ京都ジョブパーク はあとふるコーナーの扉を叩いてみてください。
― ありがとうございました!
就労移行支援事業とは
就労移行支援とは障害者総合支援法に基づく就労支援サービスのひとつです。
一般企業などへの就職を目指す障害のある方を対象に、就職に必要な知識やスキル向上のためのサポートやトレーニングを実施しています。
対象となるのは障害のある18歳以上65歳未満の方で、原則最大2年間利用できて、多くの方において自己費用の負担はありません。
就労移行支援事業所では、利用者の方は事業所に通所し、サービス利用計画に基づいて障害のある方それぞれの特性や症状に応じて必要なトレーニングを受けられます。
2年以内での就職を目指し、実際に卒業して働き始めてからも最長3年半の「定着支援」を受けることも可能になります。
私たち京都の就労移行支援事業所スキルアップスマイルでは、特にご利用者一人ひとりの特性や状況など応じた支援を心掛け、過去に80人を超える障害者の就労を支援してきています。
ぜひ見学にお越しください!
スキルアップスマイルは、京都の中心地である四条烏丸の交差点角の駅直結の大きなオフィスビルの中にあります。
とても便利な場所ですのでもし当事業所に興味をお持ちいただけましたら、見学がてら足をお運びいただければ幸いです!
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