2023.11.01
アメリカの障害者雇用の実情/日本の制度の違い
目次
障害者雇用とは?
自分に障害があることをオープンにして就職活動することをためらわれている方も多いと思います。
障害者雇用とは、企業や自治体などが「障害者雇用枠」で身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳、療育手帳などを保有している方を雇用することです。
日本では、障害のある方が安定して働き続けることを目的とした障害者雇用促進法によって、民間企業や国、地方公共団体などに対して常時雇用している労働者の一定割合にあたる人数以上の障害者を雇用することや合理的配慮を提供することなども義務付けられています。
障害者雇用は日本だけではなく他の海外諸国も実施しており、今回はアメリカの実情をまとめます。
日本とアメリカの障害者雇用の違い
日本では国が障害者に関する法整備や制度を決め、それに従って都道府県などの各自治体や各種の機関が障害のある方に対してさまざまな支援をし、また企業などには国が決めた「法定雇用率」以上の人数の障害のある方の雇用を義務付けています。
一方でアメリカでは障害者を対象とした雇用を促す法律はなく、1990年に制定された「障害を持つアメリカ人法(ADA)」で雇用面を始めとして障害のある方に対する差別を強く禁止しているだけで、企業などに障害のある方の雇用を義務付けるような法律はありません。
また、実際の障害者雇用にかかわるサービスや支援制度、法律などは各州が独自に作って運用をしています。
そもそもアメリカでは「障害者雇用」という概念が一般的ではなく、障害のある方が働かないなら受けられる福祉サービスを、働く場合は受けにくくなるそうです。
ただ企業には働く1人ひとりの障害のある方に対して差別がないように徹底的な合理的配慮が求められ、それが実行されていない場合には厳しい罰則が科せられるようです。
日本における制度面の課題
日本においては各企業の法定雇用率が未達成の場合には、その不足分1人あたり年間60万円の納付金が課せられます。
2022年(令和4年)の民間企業全体の中で法定雇用率を達成している企業の割合は48.3%で、雇用されている総障害者数は19年連続で過去最高になっています。
一方で障害のある方を一人も雇用していない企業は32,342社あり、法定雇用率を達成できていない企業の中の約50%近くを占めている状況です。
障害のある方を雇用してその労務などを管理するよりも納付金の支払いを選択する企業も多いという課題があります。
まとめ
日本ではアメリカと違って、働く意思を持つ障害のある方に対して国や都道府県、市区町村やさまざまな機関が就労に関するきめ細かい福祉サービスを実施しています。
また日本の企業には障害のある方を雇用する義務が課せられていて、多くの企業が「障害者枠」での雇用や合理的配慮に熱心に取り組んでいます。
働く意思が強い方であれば、まずは自分に障害があることをオープンにして合理的配慮を受けながら1つの会社で勤務し続けることで、働く力を高めていくことを検討されてみてはいかがでしょうか?
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