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お知らせ・コラム

特集「京都で障害者が安心して働けるために - 受け入れ企業の場合」vol.4 ― 佐川急便株式会社さんの場合

京都では障害のある方をとても丁寧に受け入れている会社が数多くあります。
この特集では京都企業がどのような思いで障害のある方を受け入れ、またどうような配慮を心掛けているのかをお届けしていきます。

4社目の今回は、京都で創業されて現在は京都と東京に本社をおく佐川急便さんです。

佐川急便さんは従業員数が5万人を超え、国内に429もの営業所を持たれる企業で、京都にも9つの営業所を構えておられます。

障害者雇用については東京本社の人事部が中心となって全国で受け入れられており、障害者雇用に取り組んでいます。

東京本社人事部人材開発課課長の小野寺久美子さん、主任・堀越彩奈さん、早川孝さんと、京都営業所で障害のある方が所属する営業課の課長である熊谷尚さんにお話を伺いました。

まずは人事の3名の皆さま、よろしくお願いします。

ここ数年で雇用率を2.55%と大きく伸ばしている

Q.従来から障害のある方をたくさん雇用されておられますね

当社はとても従業員が多いため、法定雇用率の遵守のためにも従来から採用・定着に力を注いできました。

そして持ち株会社であるSGホールディングス株式会社が2021年から本格的な「D&I活動(現在はDE&I活動※)」を推進するようになり、ここ数年でさらに障害のある方の雇用を増やして、雇用率は2019年度の2.19%から2024年度では2.55%へとかなり上昇しています。

※D=Diversity(多様性)、E=Equity(公平性)、I=Inclusion(包括/一体感)
性別や年齢、障がいの有無、国籍に分け隔てなく、すべての多様な人材がいきいきと働
ける職場環境を目指す取り組み
Q.障害のある方の雇用にはどんな体制を取られているのですか?

東京本社人事部で関東を中心に全国の障害のある方の雇用をサポートしているのが我々3人で、東北地方、近畿地方、中京地方にはそれぞれエリア担当として1人ずつを配置しています。
実際の障害のある方の採用や受け入れは、全国の営業所の社員が担ってくれています。

全社員に対して障害のある方への理解を深めている

Q.全社に対してどのような活動をされていますか?

全社員は年3回、e-leaningを活用して障害のある方に関する知識を学んでいます。

また専門家を招いて障害に関する理解を深める勉強会も年に数回実施しており、これからも続けていく予定です。

Q.各営業所に対するサポートはいかがですか?

障害のある方の採用や定着を担当している社員からの個別相談に対応し、助言も行っています。

また、その内容を記録として送付してもらい、必ずすべてに目を通すようにしています。

精神・発達障害の方の雇用は増えていく

Q.精神や発達の障害の方はどれくらいおられるのでしょうか?

現状では身体障害と知的障害の方がそれぞれ4割ずつで、残りの2割が精神・発達障害の方です。

各都道府県のハローワークが実施している合同面接会に参加されるのは精神・発達障害の方が大半ですので、これからは比率が上がっていくものと思われます。

Q.障害のある方はどのようなお仕事をされておられますか?

各営業所での荷物の仕分けの補助が6割、セールスドライバー®を含む営業職の関係が1割、事務系の仕事が3割となっています。

事務職の仕事では主にパソコンの入力作業などに従事いただいています。中には「映像検証」をしている方もいます。

集中力の高い方に向いている「映像検証」業務

Q.映像検証とはどのような仕事でしょうか?

当社は運輸業を営み、国内に2万5,000台以上の車両を保有しています。

安全運転指導のため、車両に搭載されたドライブレコーダーの映像を確認することはとても重要な業務です。

この仕事は、集中力が高い特性を持つ方に適してます。

Q.ここ数年で雇用数が増えたのはなぜですか?

2020年に本格的な「D&I活動」が始まり、障害の有無に関わらず個々の違いを受け入れ、共存すること、そして誰もが活躍できる職場づくりへの意識が高まっています。

毎年、47都道府県の教育委員会にお声がけし、特別支援学校に通う生徒さんに職場体験に参加していただき、年間で20数名の知的障害の方を受け入れています。

さらにこれからは各エリアの就労移行支援事業所とも連携を深めて行きたく思っています。

Q.障害のある方の定着率はいかがですか?

特別支援学校出身の方は、先に先輩が入社していて働きやすい環境ができているので安心感があるようです。

そしてここ4~5年で、全社的に障害のある方への理解がかなり深まっているため、受け入れる側にもさまざまな工夫などが生まれて定着率も高まっています

Q.精神・発達障害のある方はどんな基準で採用されますか?

やはり職業準備性が重要であると考えています。規則正しい日常生活を送れて、自分の障害や得意不得意などを理解し、適切に合理的配慮を求められる方が望ましいです。

またPC作業がありますので、Excelは必須として、WordやPowerPointも操作ができるとお願いしたい業務も増えていきます。

単純なPC入力だけでなく、Excelでのマクロを使用した集計や、その他の創造的な業務もお任している方もおりますので、ヤリガイを感じていただけると思います。

京都営業所ではコミュニケーションを最も重視

それでは京都営業所の熊谷さんに伺います。

Q.京都営業所では障害のある方が何人働いておられますか?

京都営業所には障害のある社員が3人いて、知的障害のある社員が2人と、もう1人は精神・発達系の障害がある社員です。とても熱心かつまじめでお客さまからの評判もよく、頼りにしています。

Q.どのような業務をされているのですか?

知的障害の2人はドライバーに同乗して集荷業務の補助をしています。1日何十件もの会社や店舗からお荷物を預かるのですが、お客さまの情報や集荷ルートを熟知しており、大変助かっています。
精神障害のある方は、一般事務の補助作業を担当しています。

Q.受入れ体制はどのようにされておられますか?

やはり5年前からのD&I活動から現場の意識が大きく変わってきています。
京都営業所では毎年リーダー1名とサブリーダー2名の計3人で活動方針を検討し、所長やほかの管理職に提案をして実行に移しています。

Q.活動方針とはどのような内容ですか?

例えば「それぞれの得意なことや好きなことに特化して話しかけよう」などです。

地理に詳しい社員には、次の配達先の場所などを尋ね、教えてもらうことで本人の自信につながります。

また好きなプロ野球チームがある社員には、朝一番で「昨日は勝って良かったね!」などと声をかけコミュニケーションを図っています。

Q.他に心掛けておられることはありますか?

抽象的な質問ではなく「はい」「いいえ」で答えられるようにしたりなどですが、最も大事なのはコミュニケーションだと思っています。

1人ひとりと会話を重ねて少しずつそれぞれの障害特性やお互いの理解を深め、「できるようになったこと」を一緒に喜び、自信につなげてもらえるようにしています。

先ほど頼りになるとお話しましたが、障害の有無に関わらず人から頼られるのはとても嬉しいことですからね。

― 人事の皆さん、熊谷さん、とても参考になりました。ありがとうございました!

就労移行支援事業とは

就労移行支援とは障害者総合支援法に基づく就労支援サービスのひとつです。

一般企業などへの就職を目指す障害のある方を対象に、就職に必要な知識やスキル向上のためのサポートやトレーニングを実施しています。

対象となるのは障害のある18歳以上65歳未満の方で、原則最大2年間利用できて、多くの方において自己費用の負担はありません

就労移行支援事業所では、利用者の方は事業所に通所し、サービス利用計画に基づいて障害のある方それぞれの特性や症状に応じて必要なトレーニングを受けられます。

2年以内での就職を目指し、実際に卒業して働き始めてからも最長3年半の「定着支援」を受けることも可能になります。

私たち京都の就労移行支援事業所スキルアップスマイルでは、特にご利用者一人ひとりの特性や状況など応じた支援を心掛け、過去に80人を超える障害者の就労を支援してきています。

ぜひ見学にお越しください!

スキルアップスマイルは、京都の中心地である四条烏丸の交差点角の駅直結の大きなオフィスビルの中にあります。

とても便利な場所ですのでもし当事業所に興味をお持ちいただけましたら、見学がてら足をお運びいただければ幸いです!

スキルアップスマイルがどんなところか気になる! 少し相談してみたい!という方は、まずは下記のページをクリックし、見学予約したり、資料をダウンロードしてみてください。

 

 

 

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