特集「京都で障害者が安心して働けるために -サポート機関の場合」vol.7/京都若者サポートステーション
この特集では京都のそれぞれのサポート施設や事業所が、どのような思いでどのような支援をしているのかをお届けしていきます。
目次
障害の有無にかかわらず全面的にバックアップ
今回ご紹介するのは四条烏丸の交差点から徒歩5分ほどのウィングス京都の中にある「京都若者サポートステーション(以下京都サポステ)」さんです。
厚生労働省と京都市から委託を受け、障害の有る無しにかかわらず現在働けていない(※)15歳から49歳の方々が「働き出す力」を持てるよう、そして職場に定着できるようになるまでを全面的にバックアップされています。
また亀岡市のJR千代川駅近くには「なんたん地域若者サポートステーション」もあります。
※就労中の方でも週20時間未満であれば利用できます
今回お話を伺ったのは総括コーディネーターの岩見晃宏さんと相談員の藤原典子さんです。
スタッフ17人体制で年間140人ほどの就職をバックアップ
Q.京都サポステは障害のない方でも利用できるのですね
はい、利用者の方のうち医療機関の診療を受けられた方は半分くらいおられますが、実は手帳を持っているなど明確に障害のある方は1割ほどになります。
当所では何らかの理由で働けていない15歳から49歳の方の「働くこと」への悩み相談から職場定着までをサポートしています。20代前半の方のご利用が多く、最近では30代の方が増えてきていますね。
京都サポステの休館日は水曜日と日曜日で、土曜日や祝日も利用していただけます。
Q.どれくらいの方が利用されているんですか?
ハローワークや支援機関、区の相談窓口などから当所をお知りになり、月間で10~20人くらいの方からの新規相談があります。継続的に利用されている方を含めると月間150人くらいの方が利用されています。
そして初回面談を経て利用登録される方が年間200人ほどで、1人ひとりの方と課題の整理や目指す目標、そこに向けて必要なステップなどを決めていくプラン面談をします。
Q.どんな体制でバックアップされているんですか?
当所では17人で対応させていただいており、支援経験が10年以上あるスタッフも数多くいます。利用登録された方には少なくとも1人以上の担当が就くことになります。
そして登録からおよそ1~2年後に就職が実現する方が年間で140人強となります。
数多くのプログラムを用意し、利用者の方の意思で参加してもらう
Q.数多くのプログラムが用意されていますね
プログラムは月ごとに変わるのですが月間で延べ80人ほどが参加されています。主に担当者との面談の中でプログラムのを提案・検討をして、参加するかどうかの判断はご本人に委ねています。
またプログラムにはまったく参加せず、定期面談を受けるだけの方もいらっしゃいます。
Q.どのような目的のプログラムが多いのですか?
プログラムは働くための「土台づくり」が大半となります。生活リズムを整えたり、働くイメージをつかんでもらったり、共同作業を体験してもらったりなどです。
また職場での基本的なコミュニケーションやマナーなどを学べるプログラムもあります。
女子会を含めてどのプログラムも数人から10人程度の参加者ですのでアットホームです。
Q.楽しそうなプログラムが多いですね
実は当所は「京都市ユースサービス協会」の1事業として運営しています。
この協会では京都市内7か所の「青少年活動センター」も運営しており、そこでのさまざまな活動から生まれたプログラムが多いんです。
例えば「即興演劇」の手法を利用して表現力を高めたり、ダンスを通したワークショップで共同作業をしたり、和菓子やちまきを作ったりなどなどですね。
企業実習の他に青少年活動センターでの事務作業を体験してもらうことも多いです。
丁寧な個別面談を通して就職、職場定着を目指していただく
Q.ベースとなる個別面談には2種類あるそうですね
「こころの相談」と「キャリアの相談」の2つです。
こころの相談では臨床心理士が1人ひとりの「働くことへの悩みや不安」をお聞きしてそれぞれの方の価値観の整理や必要な情報提供などをし、キャリアの相談ではキャリアカウンセラーが1人ひとりの自己理解や職業理解を支援して実際の就職準備の助言もします。
面談は対面でもオンラインでも大丈夫です。
Q.実際の企業への応募もお手伝いされる
企業の紹介自体はしませんがハローワークと密に連携してバックアップしています。
また京都は就労移行支援事業所などの支援機関がとても充実していますので、利用者の約半数の方は当所と当所から紹介した支援機関などを併用されて就職を目指されます。
支援機関を併用される方にも引き続き当所スタッフが定期的な面談を実施しています。
Q.就職後もバックアップされています
職場に定着してもらうことが当面の目標ですので、就職直後は月に1回、少しずつ馴れてこられれば3か月に1回とか半年に1回などと頻度を減らしていくことになります。
そしてパートからフルタイム勤務へ、さらに正社員を目指すサポートもしています。
Q. それでは総括コーディネーターの岩見さんから障害のある方へ一言お願いします
サポステでのご相談の一言目は「自分に合っている仕事が分からない」「どこで、どんな相談をしたらいいのか分からない」とおっしゃる方が多いです。
確かに働くことに関する相談って難しい。そんな難しさや不安な気持ちを少しでもやわらかくできる窓口を目指しています。
Q. 相談員の藤原さんからもお願いします
「一緒に生き方、働き方を考えたい!」が私のモットーです。
働くことって、自分の人生を幸せに生きるための手段でしかないと思っていて…。毎日、楽しく暮らせていたら、どんな働き方もありなんじゃないかなって。
自分の人生は自分で自由に描いていっていいんです!生きていく道は一つじゃない。
「今の生活をちょっと変えたいなぁ」と思っている方、一緒にお仕事探ししませんか。
― ありがとうございました!
就労移行支援事業とは
就労移行支援とは障害者総合支援法に基づく就労支援サービスのひとつです。
一般企業などへの就職を目指す障害のある方を対象に、就職に必要な知識やスキル向上のためのサポートやトレーニングを実施しています。
対象となるのは障害のある18歳以上65歳未満の方で、原則最大2年間利用できて、多くの方において自己費用の負担はありません。
就労移行支援事業所では、利用者の方は事業所に通所し、サービス利用計画に基づいて障害のある方それぞれの特性や症状に応じて必要なトレーニングを受けられます。
2年以内での就職を目指し、実際に卒業して働き始めてからも最長3年半の「定着支援」を受けることも可能になります。
私たち京都の就労移行支援事業所スキルアップスマイルでは、特にご利用者一人ひとりの特性や状況など応じた支援を心掛け、過去に80人を超える障害者の就労を支援してきています。
ぜひ見学にお越しください!
スキルアップスマイルは、京都の中心地である四条烏丸の交差点角の駅直結の大きなオフィスビルの中にあります。
とても便利な場所ですのでもし当事業所に興味をお持ちいただけましたら、見学がてら足をお運びいただければ幸いです!
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